今回は、ナットを交換してみようかと思っています。
ギターのナットとは、ギターのヘッドとネックの境にあるパーツで、弦を支える役割があります。
ナットはギターの弦を支える大事なパーツです。ギターの根幹を支える部分なので、ナットの幅が違うと弾きやすさが変わるし、ギターナットは素材によっても音質が変わるため、素材選びも重要です。なので失敗したらと思うとなかなか手が付けられない部分ですよね。
実際はかなり技術がいる作業との事でリペアマンに話を聞いたところ最初はなかなかうまくいかないのでリペアショップに出した方がいいという話でした。リペアショップでは5000円~8000円位で作業してくれます。
とはいえ最初がないと最初からは抜け出すことはできないので試しに交換してみます。
目次
ナットの交換時期
実はナット自体は物によってはかなり持ちますがギターを弾くたびに弦が振動し少しずつナットが消耗して行ったりします。
溝が減って弾いていてビビりが多くなってきたら交換時期です。
また、フレットが減っていく中でナットの調整が必要な場合もあります。
それとナットを交換するとやはり音が変わります。
ナットの素材によって音が変わりますので素材によって特徴を見極めて欲しい音を出してくれるナットに交換してみましょう。
ナットの種類と特徴
ナットはヘッド側で弦を固定するパーツとしてついていますが、弦の振動をボディーに伝えるという役割も担っています。音程の正確さや弦高の調整などでも非常に重要なパーツですので種類もたくさん出ています。素材によって弦の鳴り方やボディーへの振動の伝え方が変わるようです。どんな物があるのか見てみましょう。
タスク(TUSQ)
人口象牙です。ボディーに効果的に音が振動するように設計されているとのことで、今回のナット交換にはこのナットを選んでみました。サウンドハウスなどで安価で入手が可能で溝が切ってあるものが売られていますので、初めてナットを交換する私のような人間にはもってこいのナットです。
牛骨
ナットの交換といえば牛骨と言われるくらい定番のナットです。音はカラッとしており、弦の粒感がわかりやすいです。中域がしっかり出てくるそんな印象です。
オイル漬け牛骨とかもあり、かけや割れを防いでくれたりする効果があるようです。
ブラス
サスティーンが良く、カッティングの切れも抜群のサウンドです。牛骨のナットなどと比べると硬い素材ですが金属としては比較的柔らかい金属です。加工には金属用の工具が必要ですね。
カーボン
サスティーンがよく、硬めの音ですがブラスのナットよりもやわらかい音がします。
プラスチック
安価なギターによく使われていて音は軽めです。
でも加工しやすい素材なのでナット交換の練習用、溝切りの練習用として試すにはいい素材かもしれません。一番安く入手できます。
デルリン/ジュラコン
樹脂でで来たナットで、牛骨よりも加工はしやすく価格も安価で入手ができます。
牛骨に近い音質ではありますが、若干牛骨より柔らかい印象。ビンテージのレスポールなんかにもよく使われています。
その他にもロック式のナットだとか金属系のもたくさん種類がありますので、カエルとなったら色々と試してみるのも楽しいかもしれませんね。
ナット交換作業
いよいよナットの交換をしていきましょう。
今回使うギターは、いつも私の勉強に付き合ってくれるフェルナンデスのTEJ-70というギターです、ナット交換前の画像を取り忘れました・・・。
このギターのナットは金属ベースのローラーナットというものがついておりますが
このナットをタスクの人口象牙のナットと交換していきたいと思います。
ナット交換に必要なもの
ナット交換をするのにだいたい以下の物が必要になるかと思いますがナット以外はすべて100円ショップで揃います。
・新しいナット
・マスキングテープ
・当て木
・ハンマー
・ヤスリ
・瞬間接着剤
古いナットを外す前に
古いナットを外す前に今の弦の幅をマスキングテープを貼って印をつけておきましょう。新しいナットをはめるときにこの印を目安に取り付けてくための作業ですね。
古いナットを外す
リペアマンが紹介しているナットの交換動画等で勉強しましたが、ナットを外す時は1フレット側から当て木をして、ハンマーで軽く叩きナットを固定している瞬間接着剤を外します。当て木ってどうやるの?ってのがなかなか紹介がなかったのですがこんな感じに1フレット側からナットを軽く押せるように当て木をします。
古くなった接着剤は軽い衝撃ではがれてくれるとの事ですので軽くコンコンと叩きます。
ハンマーの叩く力が強すぎるとナットのヘッド側にある木材を痛めてしまう場合があるので
少しずつ様子を見ながら叩きましょう。
ハンマーで叩く時は少しずつ行いましょう。強く叩いてナットと一緒に接着剤が木材を持っていってしまわないように慎重に行います。
今回の作業で強く叩きすぎてナットがバピューン!と飛んでいってしまった人がいるようです(笑)幸いネック側の木が剥がれたりはしていなかったので大丈夫でしたが慎重に少し叩いて撮れるかどうか確かめながらやりましょう。
ナットが外れたら
古いナットが外れると、ナットの下の木部が出て来ますので、ここにナットを接着していた接着剤の残りみたいのが溜まっているときはヤスリで削り落としましょうとの事なので削っていきます。
この時瞬間接着剤が残っていると新しいナットがうまく取り付けられなくて変な段差となってしましう。段差が付くと弦高やチューニングにも影響してきますので奇麗にしておきましょう。
※ヤスリで木材まで削らないように気を付けましょう。ちょっと怖いので少しずつナットを当てはめながら削っていきましょう。
新しいナットの加工
今回使うのは最初から溝加工がされているGRAPHTECHのナットです。
TUSQ(人口象牙)ナットは加工しやすく、初めてナットを代えたいという方にもおすすめです。
やはり溝を切る作業がなかなか大変との事なのでナット交換初心者の私には最初から溝が切ってある
こちらを選択しました。
ナットの選び方
1.ナットの弦溝間隔を確認しましょう。
元のナットから弦溝の間隔をだいたい合わせて購入しましょうE to E(6-1弦間)の長さが最も近い物を選択しましょう。
2.ナットのサイズを良く確認しましょう。
テレキャスだからと言って何も確認せずに高さの低いナットを購入しちゃった人もいますので
ナットのサイズとナットが外れたときの溝の深さなど余裕を見て購入しましょう。
ナット自体は削ったりして調整していきますので、少し大きなものをい選べば安心かと思います。
ナット底面を加工する
ナットを装着する所が平らな仕様のものと、カーブが付いたものがあります。
元のナットを見て底面にカーブのついた物が取り付けられている場合は、ネックがそのような形になってますので同じようなカーブになるように加工していきます。
ペンなどで新しいナットに同じようなカーブ書いて、同じようになるようにヤスリで削っていきましょう。
こんな感じで印をします。
そして削っていきます。
紙やすりだけで行けるかと思ったのですがなかなか削れませんので普通に金属のヤスリで削っていきました。削ってる間に印でつけた線が消えますので、たまに線をつけ直しながら作業をしました。
このナットの高さは弦高に関わってきますので、たまに当てはめて弦を張って確かめながら作業していきましょう。
ナットを瞬間接着剤で止める
ナットの加工が終わったらマスキングテープに記したマークに合わせてナットを取り付けます。このまま弦を張ることはできますが、弦のテンションでナットがずれてしまったりする場合には瞬間接着剤で止めておきましょう。瞬間接着剤は衝撃に弱く、当て木をして接着剤を剥がすことができるので瞬間接着剤を使うようです。がっちり固定しすぎてしまうと次回のナット交換のときにナットが取れなくなってしまいますので注意しましょう。
瞬間接着剤も次回のナット交換のためにもたくさんつけずチョンチョンとつけて乾かしておきましょう。
ナット交換後の音の変化
ようやく完成です、作業中に1弦が切れてしまったので写真には1弦がないのですが問題なく演奏できました。
ナット交換をしてみての音の変化ですが以前のローラーナットの時は金属製だからか重たい詰まったような音だったのですが、TUSQの人口象牙に変えてみてカラッとした中域が気持ちよく出るサウンドに変わったような気がします。サスティンもよく初めてのナット交換にしてはうまく交換できたかなと思います。
ナット交換まとめ
ナットの交換作業自体は、基本的に以上の流れで行うことができます。ナットの加工が少し大変でしたが素人の私でも1回でうまくできました。
作業をする前に元々取り付けられていたナットの状態や、ギターの塗装の種類や状態によっても作業工程は変わってくるようですので。楽器の状態や仕様をよく観察しながら交換してみてください。
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