ディレイのエフェクターってどんな時に使うんだろうって思ったことはありますか?
実はこのディレイのエフェクターですが、いろんな角度からギターの音に深みを与えてくれます。
もちろん飛び道具的な奇抜な音にすることも可能です。
ギターの音をより深みのあるものにしたいと思ったらディレイエフェクターを試してみましょう、今回はそんな内容です。
目次
ディレイとは?
ディレイエフェクターは、原音に対してタイミングの遅れた音を繰り返すことで
山びこのような効果を得るエフェクターです。
ディレイエフェクターは、音の隙間を埋めることでギターの音に深みを与えます。
シンプルなソロギターやリードシンセにディレイを加えることで、奥行と深さを与え
よりサスティーン豊かな太いサウンドを作ることができます。
かなり、奥の深いエフェクターになりますのでいろんな場面でいろんな使い方ができると思います。
ディレイエフェクターの歴史
ディレイエフェクターは、1950~60年代に登場したエフェクターの一つで、当初はテープを使用したテープエコーが主流でした。
その後、遅延素子を利用したアナログ式ディレイが登場し、1980年代にはデジタル回路を利用したデジタルディレイが登場しました。
ディレイエフェクターの使い方について
ディレイエフェクターは、音にエコーのような反響を加えることができるエフェクトです。
音を遅らせる時間、ディレイタイムはmsという単位で、秒を表します。
1秒が1000msです。100msは0.1秒とかなり細かい世界での調整となります。
・ショートディレイ
ショートディレイは、タイムを極端に短くし20~50ms位遅で設定します。
また、リピートも1回程度の設定で使用します。
この設定で使用することによって、音が太く、大きく聞こえるようになるといった効果が得られます。
例えば30ms前後に設定して原音とディレイ音を重ねることで厚みのある太い音として聞かせることができます。
50msから100msまでをミディアムディレイと呼ぶこともあります。
・ロングディレイ
200ms~400ms位で利用されるのが一般的です。
音を遅らせることで、音に広がりや深みを与える効果があるので、空間的な響きを持たせることができます。ソロやアルペジオなどの単音弾きでよく使われています。
ディレイタイムを100~200ms程度に設定し、3連符のタイミングでディレイをかけたのが“スラップバック”と呼ばれる効果です。部屋鳴りのような反響音が特徴で、エフェクトレベルを下げるとリバーブのような効果を得ることができます。
ディレイとコーラス
ディレイと同じで音を遅らせる効果のあるエフェクターでコーラスというのがあります。
こちらはディレイよりも短く10ms程音を遅らせて揺らぎを与えることで透明感とつややかさを出します。※コーラスのエフェクターについてはこちらをご覧ください。
ソロや単音弾きに対してはディレイとコーラスはどちらが一般的ですか?
ソロや単音弾きに対しては、ディレイとコーラスのどちらが一般的ということはありません。
どちらも効果的に使えるエフェクターです。ただし、それぞれの特徴や使い方には違いがあります。
・ディレイは、音を遅らせて重ねることで、音に残響やリズム感を与えるエフェクターです。
ソロや単音弾きにディレイをかけると、音が目立ったり、音が広がったりします。
ディレイの設定によって、さまざまなサウンドを作ることができます。
・コーラスは、音に約10ms遅れた音を混ぜることで、音に揺らぎや透明感を与えるエフェクターです。ソロや単音弾きにコーラスをかけると、音が厚みや華やかさを持ったり、音が浮遊感を持ったりします。コーラスも設定によって、さまざまなサウンドを作ることができます。
ディレイとコーラスは、それぞれ単独で使うだけでなく、組み合わせて使うこともできます。
例えば、ディレイにコーラスをかけると、ディレイ音に深みや動きが増します。
このように、ディレイとコーラスは相性の良いエフェクターです。
バッキングで厚みを出すためにはディレイとコーラスはどちらを使うのがいいですか?
ディレイとコーラスは、どちらも音に広がりや厚みを与えることができるエフェクトですが、特徴や使い方は異なります。
ディレイは、音にエコーのような反響を加えるエフェクトです。
ディレイタイムやフィードバック、ミックスなどのパラメータで反響の長さや量や強さを調整できます。ディレイ音にモジュレーションをかけることで、コーラス効果も出せます。
コーラスは、音に微妙なピッチのずれを加えることで、複数の楽器が演奏しているような効果を出すエフェクトです。レートやデプス、ミックスなどのパラメータでピッチのずれの速さや幅や強さを調整できます。
バッキングで厚みを出すためには、どちらのエフェクターを使うかは、曲やサウンドによって異なりますが一般的には以下のような使い分けがあります。
ディレイは、音に残響を加えることで空間感や遠近感を出すことができます。
バッキングがシンプルな場合や、音の隙間を埋めたい場合に有効です。
ディレイタイムはテンポに合わせて設定すると自然に聴こえます。
コーラスは、音にピッチのずれを加えることで厚みや揺らぎを出すことができます。
バッキングが複雑な場合や、音に動きをつけたい場合に有効です。
コーラスの強さは控えめに設定すると自然に聴こえます。
ディレイタイムをテンポに合わせる
フットペダルのディレイは必ずしもテンポに正確に合わせる必要はないと思いますが
合わせることでリズム感のアップやバンド間でのズレの防止につながります。
同期などで合わせるやミックスダウン時などは少し気にするといいかもしれません。
ディレイタイムをテンポに合わせるとは、曲のBPM(1分間に何個の四分音符が入るか)に応じて、
ディレイ音が返ってくる時間を設定することです。
例えば、BPMが120の場合、一拍(四分音符)は0.5秒です。この場合、ディレイタイムを0.5秒(500ミリ秒)にすると、ディレイ音が一拍ごとに返ってきます。これを四分ディレイと呼びます。
ディレイエフェクターにテンポモードがある場合は、それを使ってBPMや音符の長さを設定する。
ディレイエフェクターにテンポモードがない場合は、以下の計算式でディレイタイムを求めます。
ディレイタイム(ミリ秒) = 60,000 ÷ BPM ÷ 音符の長さ
音符の長さは、四分音符が1、八分音符が0.5、付点八分音符が0.75などとします。
ディレイのフィードバックの1回目が裏に入るくらいのディレイタイムというのは、八分ディレイのことだと思います。
この場合は、BPMに応じて上記の計算式でディレイタイムを求めるか、テンポモードで八分音符を選択すればよいでしょう。
●どんなふうにテンポに合わせると効果的ですか?
・ディレイタイムを音符の長さに合わせて、リズム感を出す。例えば、四分ディレイや八分ディレイなど。
・ディレイタイムを音符の長さの半分や3分の1にして、音を重ねる。例えば、三連符ディレイや付点八分ディレイなど。
・ディレイタイムを音符の長さとずらして、音を広げる。例えば、スラップバックディレイやモジュレーションディレイなど。
これらの使い方は、曲の雰囲気によって変えることができます。
また、ディレイのフィードバックやミックスなどのパラメータも調整することで、自分にあった、バンドに合った効果的なサウンドを作りましょう。
おすすめのコンパクトサイズのディレイエフェクター
コンパクトエフェクターは、小型で持ち運びがしやすく、足元に置いて操作できるエフェクターです。おすすめのコンパクトサイズのディレイエフェクターを紹介します。
BOSS DD-8
BOSSのDD-8は、コンパクトなサイズにも関わらず、11種類のディレイエフェクトを搭載しています。BOSS DD-8は、幅101mm、奥行き138mm、高さ64mmで、重量は約600gです。
このサイズであれば、持ち運びもしやすく、足元に置いて操作することもできます。
MXR M169 Carbon Copy Analog Delay
デジタルディレイのデジタル感が気になるという人はこれ!アナログなウォームなディレイを演出してくれます。最長で600msまでのディレイを設定でき、MODボタンを使ってコーラスのような効果を出すこともできます。Brightスイッチが付いて小型化した M299 Carbon Copy Miniというモデルも出ています。
Effects Bakery French Bread Delay
コスパ最強なエフェクツベーカリーのフランスパンディレイ。温かいディレイサウンドをシンプルな3つまみで作ることができます。こちらは500msまでのディレイを作ることができます。可愛い上に優れものの1台です。トゥルーバイパス方式を採用しています。
マルチのディレイエフェクター
ディレイはコンパクトサイズより少し大きいマルチのフットペダル用のエフェクターも多数販売されています。
StrymonのTimelineは、コンパクトなサイズにも関わらず、12種類のディレイエフェクトを搭載しています。
BOSS DD-200は、デジタルからアナログ系まで、幅広く設定でき12種類のディレイモードを搭載しています。
また、こちらはマルチエフェクターですがZoomの G1Fourは手頃な価格で色んな種類のディレイが使えます。こちらはマルチエフェクターなので歪みからMOD系、アンプシュミレーターなどなど多数のエフェクトが使えます。
もし予算に余裕がある場合は、TimelineやDD-200を検討してみるのも良いかもしれません。
ただし、G1 Fourの方が手頃な価格で多彩なエフェクトを搭載しているため、初心者の方にはおすすめかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか?ディレイエフェクターは、原音に対して遅れた音を作り出すエフェクターです。ショートディレイからロングディレイまで表現の幅は多岐にわたります。
ソロギターやバッキング時にディレイを加えることで、奥行と深さを与えよりサスティーン豊かな太いサウンドを作ることができます。
かなり奥の深いエフェクターですがいろんな場面でいろんな使い方を研究して自分なりの音を見つけてみましょう。
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