ピッククアップは、エレキギターにに搭載されている音を出すために重要な部品です。ピックアップは弦の振動を電気信号に変換し、アンプやエフェクターなどに送ることが出来ます。
一般的に、ギターのピックアップは主にシングルコイルとハムバッキングの2種類に分類されます。
シングルコイルピックアップは、細く狭いコイルを使って作られており、明るく透明でクリアなサウンドが特徴です。ジャズ、ブルース、カントリーなどの様々なジャンルで好まれます。ただし、シングルコイルピックアップはノイズを拾いやすいという欠点もあります。
一方、ハムバッキングピックアップは、2つのコイルを反転させることでノイズを相殺するように設計されています。そのため、よりパワフルで太くミッドレンジの効いたサウンドが得られます。ハードロックやヘヴィメタルなどの高出力な音楽スタイルに適しています。
さらに、ピックアップにはさまざまな設計や特徴があります。出力レベル、磁力、コイル巻数、ワイヤリングなどがその例です。これらの要素は、ピックアップごとに異なる音の特性やトーンをもたらします。
ギターのピックアップは交換可能なパーツであり、簡単に取り替えることができます。このため、ギタリストは自分の理想のサウンドを追求するために、ピックアップをカスタマイズする人も多くいます。GibsonやFenderはもちろんですがセイモアダンカン、ディマジオといったメーカーからもたくさんのピックアップが出ています。
ピックアップはギターのこの部分です。
コイル状になっていて棒を6本が挿してあります。
この棒の上を弦が振動することによって音を拾っているんですね。
ギターを弾いたときに振動する弦のふり幅を電気信号に変えています。
1本のギターに1~3種類のピックアップが搭載されていてスイッチで切り替えが出来るようになっています。
目次
シングルコイルピックアップとハムバッキングピックアップ
ピックアップには主にストラトキャスターなどに搭載されているシングルコイルピックアップ
とレスポールなどに搭載されているハムバッキングピックアップの2種類があります。
シングルコイルピックアップは、名前の通りコイルが1本で作られています。
輪郭がはっきりとした粒立ちのいい音で、繊細なできらびやかな歯切れのいいのが特徴です。
細い音(硬い音)といったイメージの音でファンクやスカなどの切れのいいサウンドにはシングルコイルのピックアップだと
気持ちのいいカッティングができます。
反面シングルコイルはノイズに弱いという特徴があります、サーとかプツプツと言ったノイズが
載ってきますのでこちらが悩みの種となっています。
ゆえにピックアップカバーなどでノイズ対策をしたりしています。
ハムバッキングピックアップ(ハムバッカーピックアップ)は2本のピックアップ(位相の違う)を直列で接続しています。
拾ったノイズを2本のピックアップがキャンセルしてノイズが載らない構造になっているようです。
音の特徴としては力強いサウンドが得られ、低音のきいた低い歪みの音などと相性がよく
ハードロックやメタルなどのザクザク歪んだ低音が作れます。
暖かく柔らかい音の印象です。
シングルコイルに比べてノイズに強い構造になっています。
シングルコイルピックアップ
シングルコイルピックアップの特徴や利点について、どんな印象があるかまとめてみました。
- 明瞭で透明なサウンド: シングルコイルピックアップは、細く狭いコイルを使用しているため、高域の再現性が優れています。これにより、明瞭で透明なサウンドが特徴となります。特に、クリーントーンや軽快なリズムパートに適しています。
- クリアなピッキングアタック: シングルコイルピックアップは、ピッキングやフィンガリングのアタックを鮮明に再現する能力があります。そのため、ニュアンスのある演奏スタイルやフレーズ表現に適しています。
- トーンの広がり: シングルコイルピックアップは、個々の弦の振動を独立して捉える傾向があります。これにより、各弦のニュアンスやトーンの微妙な違いがはっきりと聞こえます。コードプレイやアルペジオなど、複数の弦を同時に鳴らす演奏スタイルにおいて、各弦の音が明確に分離される特徴があります。
- シングルコイルトーン: シングルコイルピックアップは、独特なトーンを持っています。明るくクリスピーなサウンドが特徴であり、ジャズ、ブルース、カントリー、ポップスなど、幅広いジャンルで好まれています。また、トーンコントロールやエフェクターの使用によって、様々な音作りが可能です。
- エフェクトの相性: シングルコイルピックアップは、ディレイ、コーラス、フランジャーなどの空間系エフェクトやモジュレーションエフェクトとの相性が良いとされています。その明瞭なトーンやピッキングのニュアンスを活かして、エフェクトの効果を引き立てることができます。
シングルコイルピックアップは、その明瞭なトーンやピッキングアタックの再現性など、独自の特徴を持っていますが、いくつかの注意点もあります。
- ノイズの発生: シングルコイルピックアップは、コイルが細く巻かれているため、外部の電磁ノイズやハムを拾いやすい傾向があります。特に高ゲインの設定で使用すると、ノイズが目立つ場合があります。このため、スタジオやライブ演奏などの環境でハムノイズを軽減するために、ノイズキャンセリングシングルコイルやシールド処理されたピックアップなどの改良がされています。
- レスポンスの制約: シングルコイルピックアップは、ハムバッキングピックアップに比べて出力が低く、ドライブやディストーションに対する耐性が少ない場合があります。そのため、高出力のロックやメタルなどのヘヴィな音楽スタイルを追求する場合には、追加のエフェクターやオーバードライブペダルを使用することが一般的です。
シングルコイルピックアップは、クリアなサウンドと明瞭なピッキングアタックを重視するギタリストにとって魅力的な選択肢となります。
ハムノイズについて
ハム(ハムノイズ)は、外部の電磁波や電源のノイズがピックアップに干渉し、その結果生じるノイズのことを指します。ハムノイズは一般的に、低い周波数(主に50Hzまたは60Hz)で聞こえます。
ハムの発生は、主に2つの主要な状況で起こることがあります。
- シングルコイルピックアップの場合: シングルコイルピックアップは、コイルが細く巻かれているため、外部の電磁波を拾いやすい傾向があります。特に、電源ケーブルやフルオロカーボン照明などの近くで演奏すると、50Hzまたは60Hzの電源周波数のノイズが発生しやすくなります。
- 高ゲインの設定や環境でのノイズ: ハイゲイン(高増幅)の設定でアンプを使用したり、ステージ上の電源や電線、電子機器との近接など、電磁波の影響を受けやすい環境では、ハムノイズが増幅される可能性があります。
ハムノイズは、演奏中に静かなパッセージやクリーントーンで特に目立ちます。このノイズは、演奏の透明度やクリアさを損なうことがあり、好ましくありません。
ハムノイズを軽減するために、いくつかの対策があります。例えば:
- ハムキャンセリングピックアップの使用: ハムバッキングピックアップやノイズキャンセリングシングルコイルピックアップなど、特殊な設計のピックアップを使用することで、ハムノイズを抑えることができます。
- シールド処理: ギター内部やピックアップ周辺の電子部品やワイヤーを適切にシールド処理することで、外部の電磁波からの干渉を最小限に抑えることができます。
- ノイズゲートの使用: ノイズゲートは、特定の音量以下の信号を自動的にカットする効果を持ちます。演奏中の静かなパッセージや休符の間にノイズが聞こえないようにするために、ノイズゲートを使用することでハムノイズを抑えることができます。
- 電源の整理: 電源ケーブルやエフェクトペダル、アンプなどの電子機器を適切に配置し、クロスノイズを最小限に抑えるようにします。電源ケーブルを遮蔽材で覆うことや、ハムノイズフィルターを使用することも有効です。
- グラウンドの確認: ギターのグラウンド接続やアンプのグラウンディングを適切に行うことで、ハムノイズを軽減することができます。接触不良や断線などがある場合は、修理や調整が必要です。
これらの対策を組み合わせることで、ハムノイズを最小限に抑えることができます。ただし、完全にハムノイズを排除することは難しい場合もあります。特に、高ゲインの演奏や電磁波の強い環境では、完全なノイズフリーを実現することは困難です。しかし、適切な対策を講じることで、ハムノイズの影響を最小限に抑え、クリアで快適な演奏環境を確保することができます。
ハムバッカー(ハムバッキング)ピックアップ
ハムバッカーピックアップは、シングルコイルピックアップとは違った、特有の音質と利点を持っています。以下に、ハムバッカーピックアップの特徴や利点について詳しく説明します。
- ハムキャンセリング: ハムバッカーピックアップは、2つのコイルを使用しており、相互に逆向きに巻かれています。この構造により、外部のノイズやハムを相殺する効果があります。その結果、シングルコイルピックアップよりもノイズレベルが低く、クリーンなサウンドを提供します。
- 高出力: ハムバッカーピックアップは、2つのコイルを使用しているため、シングルコイルピックアップよりも出力が高いです。これにより、より太くパンチの効いたサウンドを得ることができます。高ゲインの演奏スタイルやヘヴィな音楽ジャンルでの使用に適しています。
- ファットなトーン: ハムバッカーピックアップは、太く豊かなトーンを特徴としています。低音域の強さと中高音域のクリアさを兼ね備えており、特にリズムパートやソロ演奏で力強いサウンドを演出するのに適しています。
- 多様なジャンルに対応: ハムバッカーピックアップは、その高出力とファットなトーンの特性から、ロック、ハードロック、メタル、プログレッシブなどのハイゲインな音楽スタイルに広く使用されています。また、ジャズやブルースなどのジャンルでも、そのウォームなトーンが魅力となります。
- トーンバリエーション: ハムバッカーピックアップは、一般的に複数のコイルが組み合わされているため、トーンバリエーションを豊かにすることができます。セレクタースイッチやボリューム・トーンコントロールを使用することで、クリーントーンからディストーションまで、幅広い音色を獲得することができます。
また、ハムバッカーピックアップにはさまざまなタイプやバリエーションがあります。以下は、一般的なハムバッカーピックアップの種類です。
- パッシブハムバッカー: パッシブハムバッカーピックアップは、外部の電源を必要とせず、ギターの木材や磁石などの物理的な要素によってトーンが形成されます。一般的なハムバッカーピックアップのほとんどがこのタイプです。
- アクティブハムバッカー: アクティブハムバッカーピックアップは、内蔵されたバッテリーによって動作します。アクティブ回路により、より高い出力と広いダイナミックレンジを提供することができます。また、ノイズフリーな動作とトーンシェイピングのためのイコライザー機能を持つ場合もあります。
- スプリットコイルハムバッカー: スプリットコイルハムバッカーピックアップは、ハムバッカーピックアップをシングルコイルモードに切り替えることができる機能を持っています。このモードでは、シングルコイルピックアップのようなクリスプで明瞭なトーンが得られます。ハイブリッドなサウンドを追求したい場合に適しています。
ハムバッカーピックアップは、高出力とファットなトーンを提供するため、ロックやヘヴィな音楽スタイルを追求するギタリストに特に人気があります。
P-90ピックアップ
P-90ピックアップは、シングルコイルの構造を持ってますがシングルコイルとハムバッカーの中間くらいの特徴を持つピックアップになります。
- シングルコイル構造: P-90ピックアップはシングルコイル構造を持っています。コイルが太く巻かれているため、他のシングルコイルピックアップとは異なる特有のトーンを生み出します。
- ファットでミッドレンジの豊かなトーン: P-90ピックアップは、太くパンチの効いたトーンを提供します。特にミッドレンジが豊かで、クランチやディストーション時にはドライブ感があり、力強いサウンドを演出します。
- 高出力: P-90ピックアップは、シングルコイルピックアップよりも出力が高いです。そのため、パワフルなサウンドを実現することができます。
- アタックとレスポンス: P-90ピックアップは、弦のアタックに非常に敏感で、レスポンスが良いです。弦の振動やプレイヤーのニュアンスを繊細に捉え、表現力豊かな演奏を可能にします。
- クリーントーンからディストーションまで対応: P-90ピックアップは、クリーントーン時にはウォームで豊かなサウンドを提供します。一方、ディストーション時には厚みのあるグラウルや歪みを生み出し、ロックやブルースの音楽スタイルに適しています。
また、通常のP-90ピックアップは、シングルコイルのピックアップとハムバッカーのピックアップとも違う大きさになっています。P-90ピックアップのタイプについて説明します。
- ドッグイヤーP-90: ドッグイヤーピックアップは、最も一般的なP-90ピックアップの形状です。その名前は、ピックアップのボビンの形状が犬の耳に似ていることに由来しています。ドッグイヤーピックアップは、クラシックなP-90トーンを提供します。
- ソープバーP-90: ソープバータイプはドッグイヤータイプと違いボディーの中にマウントするタイプになっています。
- ハムバッキングP-90: ハムバッキングP90は、ハムバッカーピックアップの外観を持ちながら、P-90ピックアップのトーンを再現するものです。ギターに加工を加えずにP-90のサウンドを手に入れたいギタリストはハムバッカーサイズの、P90を選択するという手もあります。
P-90ピックアップは、特にロック、ブルース、ジャズ、アルタナティブなどの音楽スタイルで人気があります。そのファットでミッドレンジの豊かなトーンとノイズキャンセリングの能力により、力強く個性的なサウンドを実現することができます。
P-90ピックアップに関してはこちらの記事でも紹介していますので読んでもらえると嬉しいです。
ピックアップカバー
ピックアップカバーと言ってピックアップにカバーを被せて拾ったノイズをアースで落としてノイズを軽減させるといった役目のものがあります。
テレキャスターなどのシングルコイルのピックアップによく使われているのを見かけますがハムバッカーも、もともとピックアップカバーを付けてアースを落とすような設計になっているようです。
ES-335などに代表されるセミアコースティックギターなどはハムバッカーですがピックアップカバーがついていますね。
ピックアップカバーがついているとノイズもさることながら高音部分の弦の振動が微量ながらアースに流れて、音がその分ウォームな温かい音になるようです。
ピックアップカバーを外すとで今までアースに落としていた高音域部分の弦の振動をアンプに送ることが出来るため、高音域が効いた抜けのいいサウンドを作ることが出来ます。
まとめ
いかがだったでしょうか?ギターのピックアップにはシングルコイルとハムバッカーがあり、その中間に位置するP-90や他にも色々と出ています。
また、各社からピックアップが販売されていてピックアップだけ購入することも出来ます。シングルコイルの中でも音のバリエーションは無限にあります。また木の種類とかでピックアップのなりも変わってきますので、ハマっていくとかなり抜け出せなくなってしまいました。そういった部分もギターの面白さのひとつなのではないでしょうか?
自分の出したいサウンドに合わせてピックアップを選択していきましょう。
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